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【初心者用】機械式腕時計とは?【メリットや電池式との違い】

機械式腕時計と電池で動く腕時計は何が違うのでしょうか??

ロレックスやオメガでさえも精度では100均の電池式腕時計に負けてしまう事実があるのに、なぜ機械式腕時計が今でも人気なのか。メリット、デメリットは何なのか明らかにしていきましょう!

▼私も機械式時計を愛用しています
ゼンマイを手動で巻く「手巻き式」の時計の裏




電池式と機械式

腕時計には大きく分けて電池で動くものとゼンマイで動く機械式があります。

電池で動く腕時計を大量生産できるようになったのは1970年代の事です。意外と最近なんですよね。

それ以前は、時計の中の無数の歯車をゼンマイで動かす機械式が主流でした。

・電池式は1970年代から主流
・機械式は1970年以前に主流


精度

機械式時計が電池式時計に取って代わられた理由のひとつに精度があります。


皆さんは電池式の時計を身に着けていて時間の遅れや進みを感じることはほとんどありませんよね。電池式の腕時計は1ヶ月に20秒程度しかズレないと言われており(実際はこれよりも少ない)、日常生活で大きなズレを感じることはありません。


これに対し機械式時計は1日に十秒以上ズレるのがあたりまえです。(1ヶ月じゃなく1日ですよ)。腕のいい時計師が精度を調整しても1日に数秒ズレます。例えば、1日に5秒ズレる機械式時計があったとしたら、1ヶ月後には2分半もズレることになります!


ハッキリ言って、どんな高級な機械式時計も電池式の時計の精度にはかないません。ロレックスやオメガの機械式でさえ精度では100均の電池式腕時計の足元にも及びません。


・電池式は1ヶ月に20秒程度ズレる(実際はこれよりも少ない)
・機械式は1日で十秒以上ズレる(1ヶ月だと数分ズレる)


バッテリー寿命

電池式の腕時計の場合、だいたい3年以上はバッテリーがもちますので、その間は特に何もしなくても時計は動き続けます。


しかし、機械式時計はゼンマイで動いているので、ゼンマイを巻いてやらないと40時間程度で止まってしまいます。


・電池式は3年以上は動き続ける
・機械式はゼンマイを巻かないと40時間程度で止まる


オーバーホール(メンテナンス)

電池式をオーバーホールする人は中々いないと思います。そもそも、部品点数が少ない電池式の時計ではオーバーホールしなくても電池交換だけで10年以上動き続けることが出来ます。


それに対し機械式時計は無数の歯車をゼンマイの力で動かしていますので、歯車等のパーツに摩耗が生じます。


したがって、機械式時計は3~5年に1回のペースでオーバーホールを行う必要があります。機械全てをバラバラにして洗浄し、各部に油を注入するので時計師へ依頼しなくてはいけません。

オーバーホールの値段は大体3万円程度です。

・電池式はオーバーホールをあまり気にしなくてもよい
・機械式は数年に1度のペースでオーバーホールするのが望ましい



機械式時計のメリット

さて、ここまで読んできて多くの人はこう思ったはずです「機械式時計なんて値段が高いだけのクソ!」

確かにその通りです。では、機械式時計のメリットとは何なのでしょうか。


私が思う機械式時計のメリットそれは・・・・・「長く使うことが出来る」です。


電池式の腕時計は時計内部に回路が入っています。この回路が壊れてしまった場合、メーカーで修理してもらうしかありません。しかし、メーカーでも生産終了から7年程度で部品をストックしておくことをやめるので、それ以降はメーカーでも直すことが出来ません。


これに対し、機械式時計は何十年も前に発明された機械をそのまま入れて販売したり、少しだけ機械を改造しているメーカーが大半です(車の見た目が違うのに同じエンジンを積んでいるようなものです)。


このため、機械式時計の内部が壊れた場合も、世界中からパーツを取り寄せることが出来ます。また、一部では機械式時計のパーツを手作りして修理してくれる時計師もいます。


つまり、機械式時計は壊れた時に修理できる可能性が電池式の腕時計よりも遥かに高いのです。

・電池式の腕時計は回路が壊れたら修理できない
・機械式の腕時計は(極端に言えば)どこが壊れても修理できる


機械式時計は趣味

ここまできてやっと機械式腕時計のメリットが1つだけ出てきましたね。


しかし、このメリットだけでは多くの人を魅了することが出来ないはずです。では、機械式時計を使う人はどこに魅力を感じるのでしょうか。


ところで、あなたの趣味はなんですか?
機械式時計に興味を持つのですから、車やバイク等の機械系が好きなのではないかなと推測します。


この中でバイクを取り上げると、バイクが好きな人はスクーターには乗りません。
バイクが好きな人は何故か、ギアチェンジが必要なマニュアルのバイクを好みます。便利なビッグスクーターには乗りません。これは車好きな人にも同じことが当てはまると思います。


他に例を挙げているとキリがないのですが、人が何かを「趣味」とした場合、ノーメンテで快適な物よりも自分で気に掛ける必要があるものを選ぶ気がします。


つまり、機械式時計の魅力は手間がかかる=「趣味」に出来るということでは無いでしょうか。


機械式時計は精度を気にしなければならないので、時々はスマホの時刻と腕時計の時間の差を確認したりして時計を気に掛けます。


また、機械式時計は作動音が大きいので、時計に耳を近づけると「チチチチチ・・・・」と時計が動く音が聞こえます。音が大きい物だと耳を近づけなくても「カチカチカチ・・・」と、とても心地いい音を響かせます。


更に、機械式時計は内部を見せる為に時計の裏蓋をガラスにしていたり、文字盤の一部をくり抜いたモデルもあります。


これにより、腕時計を装着する楽しみだけでなく、気に掛けたり、音を聴く楽しみがプラスされます。こうして時計を気に掛けると、それはもう立派な趣味です。

▼文字盤の一部がくり抜かれ、内部の機械が動く様子が分かります。これを「オープンハート」といいます。
スイスのエポス社の時計

▼時計の裏蓋がガラスになっており、機械を見て楽しめます
スイスのエポス社の時計の裏側

おわりに

機械式腕時計には「趣味」に出来る以外の魅力もあります。それは、愛用の腕時計を時計職人が丁寧に仕上げたという魅力ではないでしょうか。

電池式の腕時計は工場で大量生産できますが、機械式の腕時計は内部のパーツが多すぎ&小さすぎて工場で大量生産することが出来ません。

このため機械式腕時計は、時計師と呼ばれる人たちが一個一個 丁寧に組み立てていきます。

愛用する時計が、ただの大量生産品ではなく、職人が丁寧に作り上げたものだと知ると更に愛着が湧きませんか?

▼最後にもう一度、中の機械を見てください。機械に装飾が施され、きれいに仕上がっているのがわかるでしょ?
機械式時計 手巻き
エポス 3369Mの裏側

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